茜色に染まる帰り道。女の子に出逢った。女子高生くらいの年だったのか今では碌に覚えちゃいない。
「貴様には面白い話をしてやろう!」
尊厳な態度で、ふんぞり返りながら話す彼女の瞳は紅く輝いていた。
「これは、奏坂学園で起こった一大事件なのだ……!」
心して聴くがいい。そんな枕詞を使って荒唐無稽な、それでも青春と音楽が詰まった話が始まる。
それは……
スポーツの様に音楽を楽しむ少女たちのお話。
学園が乗っ取られてしまう危機に立ち向かう話。
みんなで夢を叶えるために成長する夢のお話。
でも、彼女のどこか自慢げな語り口に思わず……ちょっかいを掛けてしまう。
「その子たちは、普段は何をしていたの?」
「聴きたいのか?」
「まあ……うん」
「ならば、ボーナスステージだ。着いてくるが良い!」
駆け出した彼女を見て、慌てて追いかけた。すると、彼女はすぐ近くの公園で立ち止まっていた。その瞳が映すのは、茜色に染まった街だ。私を見つけると、彼女は手招きをしてベンチに座り込んだ。その隣に腰を掛ける。
「私も含めて、普通の女の子だからな……恋も悩みも付き物なのだ」
ニッコリと嬉しそうに話す彼女を見つめて、ただ相槌を打っていた。
……そんな、私を茜色に染めた帰り道。
そんなわけで茜色の少女が語る青春活劇、ここに開幕でございます。
まあ曲ネタだったり思い付いた話はこのサイトに載せていこうかなと。ええ。次回予告としては、Ruler Count, Zero……になります。
それでは!
※サムネは適当な画像がなかったので、CUEのぬれねこにひきの開花イラストから拝借。
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